2018年の基準地価は、各地の中核都市や観光地を抱える地域が訪日客の恩恵や緩和マネーの需要を受けて上昇しました。一方、同じ都道府県内でも交通の利便性が低かったり高齢化が進んだりしている地域では下落が続きます。投資マネーも選別色を強めており、「圏内格差」が広がっている。東京圏の住宅地は前年比1.0%プラス。上昇率が1%台に乗るのは08年以来。東京23区内では以前から人気の中央区や港区だけでなく、交通の便が良く相対的に値ごろ感のある北区や墨田区など5%を超える地区が目立つなど、地価上昇が周辺部に広がりつつあます。一方、都内でも多摩市や青梅市の住宅地は下落しました。高度成長期に人気を集めたニュータウンの住民の高齢化が進み、都心部へのアクセスの悪さも一因となっています。
今回の基準地価は7月1日時点のため、6月の大阪北部地震や7月の西日本豪雨の影響はほぼ含まれていません。台風21号、北海道地震など大規模災害が相次いでいます。インバウンド需要に依存して地価が上昇した地点も多いですが、台風の多さや猛暑などが影を落とし、今後伸びがいずれ鈍化する可能性もあります。