国税庁2019年分の調査による被相続人(死亡者)の人数は、約138万人で過去最多。そのうち申告書の提出は、約11万5000人です。課税割合は、全体の8.3%。2015年に相続税の大改正があり、それまで4%台だった課税割合がほぼ倍増しました。相続財産の内容を見ると、ここ数年は現金・預貯金の増加が目立ちます。しかし現金より最も多かったのが、土地で34.4%を占めました。土地などの不動産をどう受け継ぐかは相続の大きなテーマになりました。相続人同士のもめ事もあり、不動産は亡くなった被相続人だけでなく、相続人である配偶者や家族の生活の基盤になっていることが多い現れです。そのため残った人が困らないように様々な特例や優遇措置が用意されています。「小規模宅地等の特例」や2018年民法改正により「配偶者居住権」が新設、結婚20年以上の夫婦で居住用不動産を贈与する場合は、配偶者の取り分が増えるという優遇措置があります。相続の際は、こういった特例などをまず知っておくことが必要です。