2020年11月28日

新築マンションの市場には「値引きの季節」というものがあります。それはマンションデベロ
ッパーが決算の締めとなる3 月末をにらんだ時期です。具体的には2021 年の年明けから3 月の
半ばまでです。この時期、各社は売り上げなど決算の数字をつくるため、販売中のマンションで
売れ残っている「完成在庫」を極力、売りさばこうとします。つまり、値引きをしてでも売って
しまおうと販売活動にいそしむのです。このため、すでに建物が完成しているにもかかわらず販
売が続いている新築マンションでは、大幅な値引きが実施される可能性が高まるということに
なります。その理由は、新型コロナウイルスの感染拡大です。年が明けても、経済活動はある程
度制限された状態が継続されるでしょう。さらに、2021 年はコロナによる不況感がいっそう深
まりそうです。コロナによる不況感が深まれば、マンション開発のための事業用地も値下がりを
始めるはずです。建築現場の人手不足が緩和されれば、建築コストも多少は下がる可能性も想定
できます。今後はもう少し鮮烈な下落になる可能性があります。各大都市圏で住宅全体に余剰感
が強まっていることと、住宅の実需の年齢層が狭まっているからです。そもそも、コロナ前の市
場は高すぎて売れなかった物件だったのです。購入に際してはこうした側面にも注意を忘れな
いでください。