今後の中古マンション価格はどう推移するのか、東京23区を例にとり、この7年間を振り返ります。まず、今年1月から7月までの動きです。23区の中古マンションは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で4月、5月の取引件数が前年同月比で大幅に減少しましたが、不動産販売の現場では「価格が下がったという感覚はない」との声が多く聞かれました。今後、新型コロナによる経済への影響が所得減少につながれば、住宅価格にも影響するはずです。おそらくは経済状況の悪化が誰の目にも明らかになってから半年程度で、住宅価格も下がっていくでしょう。平成バブル崩壊のように半値程度まで値下がりするということはなく、平均的には現在より1割から2割程度の下落になると予想します。その場合、どのマンションも同じような下落率になるわけではなく、この7年間のトレンドで生じた格差、つまり所在地や駅からの距離が下落率に影響するでしょう。