不動産ニュース1月号

2023年の不動産市場について振り返ります。

2023年の中古マンション、中古戸建住宅、土地の価格は右肩上がりとなりました。円安による建築資材の高騰や人件費の上昇などの影響によって、新築物件の価格が大幅に上昇したことで、中古住宅の需要が高まり、価格が上昇したと考えられます。また、円安による海外資本の流入または景気拡大を見越した先行投資なども価格上昇を後押しした要因と言えるでしょう。

中古マンションと中古住宅に焦点を当てると、郊外のマンション・中古住宅の価格の上昇が目立ちました。これは、テレワークを導入した企業が増えたことが大きく影響しています。テレワークでは、自宅で仕事に取り組むため、会社の近くに住む必要がありません。また、仕事専用の部屋があると便利であるため、同価格帯で広い住まいが手に入る郊外の需要が高まったと考えられます。

しかし、2023年の5月には新型コロナウイルスの感染症法上の分類が変更されたことで、インフルエンザと同程度の扱いとなりました。これを機にテレワークを廃止し、従来通りの勤務形態に戻された場合には、都心回帰の流れで郊外の価格が下落に転じるということが懸念点として挙げられます。