国土交通省が20日発表した2022年の基準地価は、住宅地や商業地など全用途の全国平均が前年比0.3%上がり、3年ぶりのプラスでした。住宅地は1991年以来、31年ぶりに上昇。長期の低金利と新型コロナウイルス流行下での生活様式の変化で、都市近郊でのマイホーム需要が喚起されました。背景には歴史的な低金利や、住宅ローン減税といった政府の支援策、2012年以降の「アベノミクス」で緩和マネーは住宅市場に流入、コロナ前の19年までに住宅地の下落幅は縮小しました。20年以降のコロナ下で在宅勤務の浸透などライフスタイルも多様化し交通の利便性に加え、部屋数や広さといった住空間の価値を重視する傾向が強まりました。日本全体で見ると、住宅地は32府県で前年比マイナスとなり、商業地も27県が下落した。東北や四国などで苦境が続き資源高やウクライナ危機など懸念材料もあり、先行きを注視する必要があります。