老後の生活資金を確保する金融商品として「リバースモーゲージ」が脚光を浴びています。最近にわかに注目を集めているのは「人生100年時代」の到来が現実味を帯びてきたからです。年金の支給開始年齢は先送りとなり、そもそも公的年金だけでは、充実した老後生活を送るのは容易ではありません。高齢者が持ち家を担保にして銀行からお金を借り、年金のように月々の生活資金を受け取るシステムです。リバースモーゲージは通常、債務者の死亡後に銀行が担保不動産を売却して債権回収することを想定していますが、予定どおりにならない場合があります。それが皮肉なことに「長生きリスク」です。リバースモーゲージには契約期間が20年などと設定されています。契約期間を超えて債務者が長生きした場合に深刻な問題が生じます。銀行は、契約者の死亡時や、あらかじめ定めた満期に到達した時点で、担保物件を売却処分し、融資を回収するというのが基本的な仕組みだからです。