2018年10月29日

 国土交通省は、不動産物件に公的なIDを付与し、「履歴書」のように取引実績を集約する仕組みをつくります。対象物件の過去の成約価格推移やリフォーム実績の有無などを一覧できるようになり市場の透明性を高めることで中古住宅の流通を促します。物件単位の細かな情報を蓄積することで、不動産統計を高度化する狙いもあります。

 宅地建物取引業者が使う「REINS(レインズ)」と呼ばれる公的な情報仲介サービスの登録物件にIDを付与、IDによって同一物件のものだと認識された過去の取引履歴を集約します。将来的にはリフォーム実績など民間団体の持つ住宅関連情報との連携も視野に入れます。

 レインズには2017年度に約160万件の新規売却物件が登録されています。不動産物件に関する詳細な取引履歴を把握するには、登記簿をたどったり以前の所有者に直接問い合わせたりするなど膨大な手間がかかり不動産IDが普及すれば、物件単位の価格推移を容易に把握できます。地域や条件を限定するなど、より詳細な不動産市況の推移を統計化しやすくなります。