日経平均株価が約26年ぶりの高値を付けるなか、不動産市場では株高による資産効果ともいえる現象が表れ始めました。以前、中国人投資家が圧巻した億ション購入、それも今回は10億円以上の複数の超高額物件を収集目的で買いあさるマンションコレクターの出現です。マンションコレクターが不動産業界で目立つようになったのは、日経平均株価が今年の安値をつけた4月から持ち直し始め、節目の2万円をうかがうようになった頃になります。短期間で転売するわけではなく「億ション」を収集するコレクターです。大手不動産会社によると「世界的にみると東京の物件価格が割安に映る面もあるし、円安も寄与しています。最も影響しているのは株高によって10億円以上の資産を保有する富裕層の含み益が膨らんでいるから」と分析する。日経平均が上値を試せば試すほど株高による資産効果でマンションコレクターの消費意欲は喚起されています。株高に沸く億ション市場とは対照的にピン立地から外れたバス便物件には価格抑制や値引き圧力がかかり易くなっています。先行き不透明感の強いマンション市場で立地と価格の二極化はさらに加速するでしょう。